短編

□そんなわたしは
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わたしの掌は赤く染まっている。
別に血に塗れたとかじゃなくて、衝撃が集中し過ぎて充血してるのだ。
どこかに打ち付けたわけじゃない。
ただ、平手打ちをしていたらこうなった。それだけ。






「なんで簡単に殴られてるの?」


「愚民に抵抗してもあいつら脳味噌無いからしてもムダだろ」


「でもね、しないにも程があるから」


「別に俺の勝手じゃン」



ふん。とそっぽを向く彼の頬を思い切りひっぱたく。
なんでわたし以外に殴られてるの?
あなたを痛め付けていいのはわたしだけ。
他人なんかにさせたくない。
わたしだけの権利なんだ。





「だからってあんなクズに簡単に殴られてるんじゃないわよ!」


「ぶッ!」




あたしの手はまた平手打ちを繰り出した。
手は第二の脳と言われている。
必ず手は覚えている、何でも。
良い事も悪い事も全て手に染み付いている。

あたしの手は、小さな彼を傷付ける事を覚えている。




「傷つけていいのはあたしだけなんだからッ」


「どんな理屈だよ」


「あたししか、やっちゃいけないの。あたしの丈一郎を殴るなんて最低!とにかく丈一郎はあたしのなんだから、あたし以外にはさせない」



理由は簡単なの。
好きだから。
好きだから、他の奴らに触らせたくない。
虐める時に殴るのが一番許せない。
それはあたしの特権だから。
奪うなんて死に値する。
そいつらが生きてるのが許せない。

だから、





「ねぇ、きっと明日は大丈夫」






優しく笑い掛けると彼は一瞬キョトンとしてから表情を強張らせた。
すぐに嘲笑。
幼い顔つきに似合わない笑みを浮かべて、脱力。
なんだか可笑しくなってあたしは笑った。









「本ッ当、おまえ最低だな」










貴方の為なら全てを敵に回せる
(安っぽい台詞だけど気持ちは本物)





2828hitリク。きゅぃちゃんへ!そしてお待たせして申し訳ないです!それにしてもこれはひどい/(^p^)\


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