和泉野小説

□1章
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「全隊、敬礼!」

ざわめいていた群衆が一様に静まり、皆正面を向き、敬礼した。

コツコツと真新しい靴を鳴らし、大崎理沙はマイクの前に立った。

「本日はお集まりいただきありがとう。紹介に与った新軍団長、大沢理沙という。諸君らに認めてもらえるよう、精一杯努力しようと思っている。よろしく」

ぱらぱらと拍手がおこり、理沙はステージを降りた。

緊張していなかった、と言えば嘘になるが、そんなものはほとんど感じるはずもない。

席に戻ると、いまだに拍手している第2部隊隊長・三上諒がいた。

「お疲れさん。緊張しちゃった?」
「なれなれしいな相変わらず。少し敬意を払ったらどうだ」

諒はクスリと笑い、言った。

「そりゃそうだけどさ?お前に戦闘のイロハを教えてあげたのは誰よ?」
「対戦時用プログラムだ」
「……」

理沙は壇上を向き直った。




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