和泉野小説

□4章
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「まったく馬鹿ネ。身の程を知らないとはオマエらのこと言うヨ」
「そーいうあんたは新隊長殿に三発も殴られてたじゃない」
「君は自分の実力も知らないんだもんね」

小馬鹿にしたように笑う五に、ドゥーゼとトロワは全力で嫌味の応酬を繰り出した。どうやら2人は実力を認めた相手には全身全霊で尽くすタイプのようだ。

「うるさいヨ!ワタシはオマエらと違って手出しされなかった訳違う。つまりワタシがこの中で最強ネ!」
「つまりに繋がらないんですが。隊長は目一杯手加減なさってましたよ」
「オマエは黙ってる良いヨ、馬鹿太一」
「分不相応…それだけです」
「オマエもヨ、フォール!」

ぎゃーぎゃーと言いながら訓練場を去って行く。

遊撃隊それぞれが理沙と手合わせをしたが、太一とフォールはブランクと不慣れな戦い方のために実力を出し切れず、五は暴走してお仕置きもかねてぶん殴られた。

「……」

通常の警備に向かう遊撃隊の5人を、理沙は見送った。

「楽しそうですね」

後ろから少年の声がした。




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