和泉野小説

□1章
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ここはとある軍組織。国際的公認はあるものの、人道的には決して公認は出来ない…そう、ここは完全な機密組織。

その理由は、ここで隊を成す人間たちにあった。

彼らは皆、一度死んでいる。事実、大崎理沙という人間も、数ヶ月前に死んだばかりだ。

では、何故?

特殊な改造により、脳の機能を残し、肉体を異常なまでに強化させる。

彼らはサイボーグとして蘇り、組織で働くことになったのだ。

「私たちは所詮人外のもの。人の枠にはもどれない」

それが、ここに来て隊員となった者たちの考えだった。理沙も、諒もそう思った。

彼らは人として生きることを諦め、人を守るために戦うことにしたのだ。

彼らの敵は、人類の敵であった。世界にはある種のウィルスがひしめいている。そのウィルスは機器類から植物、動物にまで感染力を広め、つい最近では人間にまで感染することが知れた。このまま野放しにすれば、確実に社会に影響が出る。

しかしやっかいなのは、感染力の強さや予防の余地がないことよりも、敵の大きさにあった。

ウィルスと称されるだけあって、そうとう小さいのである。




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