和泉野小説

□2章
2ページ/5ページ


「あまり出すぎたこと言うと身体と首がお別れすることになるネ」
「あなたこそ、大概にしないと胸に風穴が開きますよ?」

お互いの顔も見ずにしゃべる。
太一は笑顔を崩さず、五は袖をあわせて叉手しながら歩き続けた。

「まーまー。そうやって騒いでると君らの隊長に怒られるよー?」

5人の後ろから、のんきな声がした。

第2部隊隊長・三上諒。

5人はしばらく足を止め、諒が追いついたところでまた歩を進めた。

「おふたりさんはどーよ、ぶっちゃけ、今の感想は?」

へらへらと笑いながら太一と、少し後を歩いていたフォールに言った。

「無粋というか…相変わらず野暮ですね、諒さん…」
「どうもも何もないです。不完全すぎた我が精神がいけなかったのですから」

ふたりとも顔色を変えずにそっけなく答えた。

「そういえば、隊長さん」

それまで自分たちの世界に浸っていたようなドゥーゼとトロワが、同時に諒に話しかけた。




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ