和泉野小説
□2章
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「あまり出すぎたこと言うと身体と首がお別れすることになるネ」
「あなたこそ、大概にしないと胸に風穴が開きますよ?」
お互いの顔も見ずにしゃべる。
太一は笑顔を崩さず、五は袖をあわせて叉手しながら歩き続けた。
「まーまー。そうやって騒いでると君らの隊長に怒られるよー?」
5人の後ろから、のんきな声がした。
第2部隊隊長・三上諒。
5人はしばらく足を止め、諒が追いついたところでまた歩を進めた。
「おふたりさんはどーよ、ぶっちゃけ、今の感想は?」
へらへらと笑いながら太一と、少し後を歩いていたフォールに言った。
「無粋というか…相変わらず野暮ですね、諒さん…」
「どうもも何もないです。不完全すぎた我が精神がいけなかったのですから」
ふたりとも顔色を変えずにそっけなく答えた。
「そういえば、隊長さん」
それまで自分たちの世界に浸っていたようなドゥーゼとトロワが、同時に諒に話しかけた。
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