和泉野小説
□3章
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「さて、諸君らも解散だ」
しばらく諒と話していた理沙が、遊撃隊に向かい、言った。
「ちょっといいですか?」
ドゥーゼとトロワが進み出た。2人はまだ、諒の言ったことが引っかかるらしく、本当に強いのかどうか見極めようとしている。
「…なんだ?」
「私たちとお手合わせ願えますか?」
「勿論一人ずつで構いませんので」
挑発的な口振り。
「どうかひとつ」
「ご教授願いますか?」
そしてまた、くすくすと笑う。二人の手元は話している間に腰の銃を手繰り寄せていて、いつ撃ち始めてもおかしくないほど、静かに殺気立っている。
「……」
理沙は他の隊員を見回した。
進み出た二人に便乗してうずうずしている陳五。二人を止める体制に入っている山県太一。我関せず、むしろ戦い始めればデータが取れるのではと目論んでいるフォール・アンダーソン。
「…まったくもって迷惑な話だ」
「…?」
「私がいなければ、今頃は諒あたりが総隊長だったのかね」
前隊長の面影がうかがえる…とつぶやき、踵を返し扉に向かう。
「いいだろう。まとめてかかって来るがいい…だが、ここでは駄目だ。訓練場に来い」
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