和泉野小説

□5章
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「最後は…遊撃隊だな」

にこりともせずに、各隊員に向けて任務の内容を書いた紙を渡す。

「…珍しいですね、5人一緒なんて」
「数は5から7…場所が場所だからな。気は抜けん」

数とは当然ウィルスのことだが、太一には引っかかることがあった。

「場所…移動中とはどういうことです?」

普通なら地域や区域が書いてあるところに、詳しくどころかたった3文字。

「ああ…少々特殊でな。場所は飛行機内だ」

「飛行機…?」

「どうやら空港で警備に当たっていた第4部隊の者が気付いたらしくてな…通常ならその場で駆除するが途中で見失い、気付いた時には飛行機が飛び立った後だったそうだ」

感知にすぐれた第4部隊は、各所の警備を任せられることが多い。
この日の前日も現場には2人の隊員がいたが、多少の知能を持ったウィルスが仲間をかばい、全てのウィルスの搭乗を許してしまったらしい。

「ふん、ぬけたヤツらネ。頼りにならないヨ」

五はくすくすと嘲笑ったが、太一が冷めた目で見ると、睨み返すことに徹底した。

「そう言うな。奴らも必死に探したそうだ。その甲斐あって、ウィルスが搭乗した便は全て同じだということまでわかった」

理沙は構わず続ける。

「成熟したウィルスが何体いるかまではわかっていない。やっかいになる前にしとめてくれ」
「了解しました」

――…そのわずか2分後、5人はとあるビルの屋上にいた。




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