和泉野小説

□5章
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電子機器と空間石をつなぎテレポーションのシステムを造り出すことまで、組織は成功していた。開発部署から、各国の大使館や政治の中心地など、全世界、色々な所に繋がっている。

「どうです?フォール」

約30分後にこのビルの真上を通る予定の飛行機を捕らえるべく、フォールは自らのアンテナを張り巡らせていた。

「近づいてきます…どうやら機内はジャックされてはいないようです。しかし確かに6…いえ、7体のウィルスを補足できます。うち2体は未成熟です。」

「なるほど…」

太一はまだ何も見えない空を眺めた。このあたりでは一番高いこのビルは、辺りの様子をうかがうには最適である。

「ねぇ、誰か来たよ」

トロワが振り向きもせず言った。後ろに目があるのかと言われるほど、トロワは勘がいい。

「あら。わかってるくせにひどいわ、誰かだなんて…」

妖艶な笑みを浮かべながら屋上へ現れたのは、第5部隊長のリラ・ヴェールだった。




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