俺俺少女
□練習風景
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進級してから数日が過ぎたある日のこと
特定の友人を作らない俺はいつも通り本を読んでいた
だが、教室の様子がいつもと違う
女子は3時間目の家庭科の実習でクッキーを作ったからだ
それを男子に渡してるわけだ
いつもながら野球部の人気は絶大だった
結城やら小湊やら伊佐敷やら…
正直キャーキャー言ってる声が耳障りだ
「はぁ…」
イラつきと共にため息が出る
俺…最近何回ため息ついたっけ?
そんなことを考えていると背後から声をかけられた
亮「月は誰にもあげないの?」
ニコニコ笑いながら話しかけてきた
「あげる必要ないじゃん。みんな殆どの男子は貰ってるわけだし」
亮「そんなこと言ってると純取られちゃうよ?」
教えてもないのになんで知ってんだよ、コイツ…
「うるせぇ奴だなぁ。お前は」
無意識のうちに貧乏揺すりをしていた
亮「なんなら俺が渡してあげようか?」
「遠慮する」
そう言って目線を本に戻す
それと同時にチャイムが鳴り、各自席に着いた
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