長編
□闇夜に舞う
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「つまらん………。」
はーっとため息をつく少年。
月に照らされ輝く銀髪に猫のような金の瞳。
そんな少年は宙に浮いていた。
ポーンポーン。
手を触れずに野球ボールを動かす。
「………飽きた。」
そう少年が言うと、ボールは一瞬で燃え散った。
「00。」
識別番号を呼ばれた少年は下を見る。
研究所の所員が彼を呼んでいた。
「なーんじゃ?」
にやにやと少年は所員を見る。
「部屋に戻れ。」
所員の言葉を聞いた少年の瞳の色が変わった。
金から深い紫へと。
「は?誰に命令しとんの?」
少年が所員を睨みつけると所員の体がはじけた。
「あーあ、つまらん………。」
頬に飛び散った返り血を指で拭いながら少年は言った。