デュラララ短編夢小説
□静雄夢 優しいから、辛い
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「うん、今日もありがとね、いろいろと」
「気にすんな。ガキの頃からの仲だろ」
「そ、だね・・・・」
「んな、悲しそうな顔すんなって。な?」
「し、してないよっ、別に・・・」
「なら、いいんだけどよ。じゃあ、また今度暇なときにでもな」
そう言い、ひらひらと手を振って去っていく、静雄の姿を、私はただただ見つめるだけしかできない。
「し、静雄っ!!」
やってしまった。
思わず、名前を呼んでしまうなんて・・・
「ん?どうした?」
ゆっくりと静雄が振り返る
「えっ、あ、、えっとぉ、、、、な、なんだろ。ごめんね、なんでも、、ないの」
そういうしかない。静雄は私を友達としてしかみていないのに、好きだ、なんて言ってしまえば今まで通りではいられなくなる。
「そうか?言いたいことあったら言ったほうがいいぜ?」
さっきまで、遠ざかっていた静雄の足は方向を変え、wwwwのほうへと歩み始める。
「本当に、なんでもないの」
必死に笑ってごまかす、wwww。
「じゃあ、なんで泣きそうになってんだ?」
静雄は、wwwwの頬に軽く手を添える。
「えっ・・・・?///」
「俺は、お前の泣き顔は見たくねぇ」
「しず、お、、、、///」
今なら、言えるんじゃ・・・・。
雰囲気も悪く、ないよね・・・?
私、期待してもいいのかな。
「あ、あのね、私っ!」
その時、静雄の携帯が鳴り響く。
「わりぃ、ちょっといいか?」
「うん、大丈夫だよ?私のことは、気にしないでいいから」
「はい、もしもし。トムさん?あ、はい。はい、わかりました。すぐ行きます」
あぁ、これは神様が止めてくれたんだ。
勢いに任せて告白なんかしちゃいけない。
これまで通り、幼馴染の大切な友達、それでいい。静雄が、それを望むなら。
「急用らしいから、すぐ行かなきゃいけないんだけどよ。さっきの聞いてからいくから話してくれ」
「あ、えーっと、なんだったかなぁ・・・。忘れちゃった」
これでいい。これでいいんだ。
「ホントか?」
「ホントだよ。ほら、トムさん待ってるんでしょ?早く行ってあげなよ」
「あ、あぁ。じゃあ、またな」
「ばいばーい!」
大急ぎで駆けていく静雄の背中を眺めながら、私は泣いた―
自分で選んだことだけど、、、、
「やっぱり、辛いなぁ・・・・」
翌日、静雄からメールがきていた。
1通目は、「無事に帰れたか?」
2通目は、「また、一緒に遊びに行こうな。そんときは、昨日忘れちまったこと、教えてくれよ?」
私の大好きな大好きな、喧嘩人形こと平和島静雄は実はとても優しい。
優しすぎるくらい、そして天然だ。
だから、私は、いつも彼に恋をしながら苦しみ続ける。
私が選んだ恋だけど、そろそろ限界なのかもしれない。
いつか、伝えようと思う。
静雄に、好きだよって。
それまでは、今の関係を保っていたい。
幼馴染の大切な友達、それだけで今は我慢するしかないのだ。
それが、私がこの恋を選んだ結果なのだから・・・・・