*Feeling and Reason*

□Phase.02
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翌日、昨日の戦闘で亡くなった人々の告別式が行われた。
フェストゥム1体の襲撃のみで多くの島民の命が奪われてしまった。
結は並べられた写真に向けて手を合わせた。

『(果林…公蔵さん…)』

あの時、何も出来なかった悔しさがこみ上げていた。

*****

告別式の後、結は真矢と共に羽佐間翔子の家に向かった。
翔子は部屋のベッドから窓の外を眺めていた。

「翔子来たよ」
『翔子お久しぶり』
「真矢。それに、結も…お久しぶりだね」

翔子は久しぶりに結と会えて嬉しそうな表情を浮かべた。
それから3人は色々な話で盛り上がった。
暫く島を離れていた結は、こうして親友達と話している時間はやっぱり楽しいと感じた。
すると、結の携帯が鳴った。

『ごめん。ちょっと出るね』
「うん」

結は部屋の隅に行って携帯を開くと通話ボタンを押した。
電話の相手は総士だった。

『もしもし。総士どうしたの?』
〔あぁ。今から一騎の訓練をするからアルヴィスに来て欲しい。行けそうか?〕
『…大丈夫。とりあえず了解。今から行くね』
〔あぁ〕

結は電話を切った。

『ごめん。ちょっと総士から来て欲しいって頼まれたから行くね』
「皆城君から?」
「…ははぁ〜。まさかデートのお誘いかな〜?」

真矢は面白そうに言った。

『違うって!総士に手伝い頼まれただけだよ。それに、総士と私はそんな関係じゃないから』

結は苦笑いをした。

「はいはい分かってる分かってる」
『なんか流されてる気がする…』
「大丈夫だって!ねぇ翔子?」
「うん。もし、皆城君が結に手を出したら、真矢と一緒に皆城君の髪三つ編みにするから」

その時の翔子の顔には黒い笑顔が浮かんでいた。

『(…翔子?)あはは。そんな事ないから大丈夫だって。じゃあまた来るね』
「うん。バイバイ」
「またね〜」

結は翔子の部屋を出て行った。

「…でも、結と皆城君って結構良い感じに見えるよね?」
「うん。結が鈍感なだけかもね」

真矢と翔子は笑いあった。


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