05/22の日記

23:29
浮遊児の行くところ。
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新天地に住み始めて
2ヶ月が経とうとしている。





新天地、とは言っても
最早ここは新天地ではない。





風景は既に日常と化し、





新鮮さも





幾分色褪せたかのように想う。




だけど、今は





それすら構わないと





思える自分がいる。














島にいた頃には、





決して持ち得なかった感情だ。





多分それは、





今までどんなに





切望していても





手の届くことの
なかっただろうものを





掴むことが出来たからこそ





生じた感情なのだ。





例え





今在る世界が朽ち果てて





その色彩が褪せようとも、





“今”と云う時間が





終わらなければ、





それでいい。





永遠なんてないけれど、





それに等しい時間だけ





“今”が続けばいい。











そう思うあたしは





もう





対象のわからない何かに





焦がれることを





やめてしまったあたしは





浮遊児ではないのかもしれない。
















それか、





ただ





“ここにいたい”





と願える場所を





見つけられただけ





なのかもしれない。















故郷も思い出も捨てたような





たった一羽、孤独な烏が





“帰るべき巣”を見つけたように。




















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