続・ふたりよがり

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「あのねえ翔さん。武道館でライブできるアーティストって、一年間で何組いると思う?・・・・月15組くらいだから、単純計算で約180組だね。12月なんて26組だよ。翔さんはそのうちの一人ってだけ。だから翔さんは『特別な人』でもなんでもないよ。芸能人だって一般人なんだから。翔さんが好きなことを好きなようにやればいいよ。」

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大学三年生、冬。

ゴールデンボンバーの「鬼龍院翔」さんと付き合い(直し)はじめて早1年。

去年の今頃は
翔さんの曲がかけない事件で一度別れたり、私は私で事故って突発的に耳が聞こえなくなったり、
・・・ほんといろいろあったなあ・・・。

私たちはあれから1年、平凡に愛を積んで・・・「直接顔を会わないからすれちがうんだ!!!!!」という半年前の翔さんの一言から、合鍵をもらい、今や家に転がり込んで半同棲のようになっていた。
土日にはちゃんと帰ってますが。

だって学校まで翔さんの家からのほうが圧倒的に近いんだもの。
だって翔さんのこと好きなんだもの。

そりゃあ「来い」といわれたらうなづくでしょう。


ガチャン

「帰りました〜」

あ、帰ってきた。

パタパタパタ

「おかえり〜」

玄関まで小走りで行って、靴を脱ぐ彼の背中を迎える。

「おつかれ。外めっちゃ寒くなかった?」

寒さでいつもよりさらに猫背にまるまった背中。くるり、と振り返った。

「ただいま。めっちゃ寒かったー」

・・・・癒されるなあ。翔さんの顔。

脱力したように、にこにこと笑う翔さんも顔に若干ときめく。・・・好きだ。

マフラーを首からはずしながら、リビングに向かう翔さん。

「今日、夜から仕事ある?飲み会は?」
「んーん。今日はない。メシある?」
「なんだ。じゃあ今から作る」
「・・・・・」
「あ、いま作っとけよって思ったでしょ?」
「・・・・思ってないよ」
「ごめんごめん、帰ってきて大学のレポートやってたら9時になってた。ねえおでんでいい?」
「あ、はい。大丈夫です。」

翔さんがポケットからスマホを取り出して、リビングのソファーに座った。コートくらい脱げばいいのに。

台所に向かい、冷蔵庫をごそごそとあさる。
昨日買ってきたはず・・・・あ、あった。


「レポートかあ・・俺やったことないからわかんねえなあ〜大変?」


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