CP小説

□知らずに成長してたもの
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仕事から帰宅途中、8:00くらい。


今日はいつもより仕事が長引いてしまって体がダルい、


しかし晩飯を食べないわけにも行かないのでコンビニへ向かう。



社会人になってからコンビニ弁当を食べることが多くなってしまったと少し反省するがそれを直すことは難しい。


いつもと同じようにいきつけのコンビニに入ると今日は少し違った、懐かしい声が聞こえたのだ。



「源田…?源田じゃないか!」


「佐久間…!久しぶりだな!」


顔を上げれば昔は毎日のように見ていた相変わらず綺麗な水色の髪をした佐久間がいた。


佐久間とはいつぶりだろうか、しばらく会っていなかったせいか疲れていたのを忘れるほど気持ちが舞い上がる。



その場で元気にしていたかと盛り上がっているとここで話すのもなんだからということで近くの公園でも行こうということになった。





「佐久間は今帝国のコーチをしているんだったな、」


鬼道は元気かと問えばもちろんと満面の笑みで返された。今でもその笑顔は変わらないんだなとこちらも自然と笑みをこぼす。



「今のサッカー界は大変だな、コーチも大変だろう、」


「まぁ、な。鬼道から聞いたのか?」


「あぁ、前会った時にな。随分と俺達の頃のサッカーとは変わってしまったそうじゃないか」



フィフスセクターに管理されたサッカー、それは昔のものと比べたらかなりの違いようだ。


「楽しいだけのサッカー、じゃ、駄目になったな…俺らのやっていたサッカーが懐かしい…」



昔のことを思い出す、あの頃はただ必死になって頑張っていたと苦笑する。



公園は人気はなく俺達二人だけ、ゆらゆらとブランコに揺られる。


暫くの沈黙も居心地は悪くはない、今こうして佐久間と一緒にいるだけで落ち着く。


空を眺めぼーっとしていると佐久間がぽつんと口を開いた。

「なぁ源田、俺が昔言ったこと…というか約束、覚えてるか?」


「約束……?」


「嗚呼、俺はその約束楽しみにしてたんだけどな?」




何か大切な約束でもしただろうかと過去を必死に思いだそうとするが思い当たる節がない。


「すまない…思い出せなくて…」


「そんなことだろうと思った、ま、源田のことだからその約束の意味も分かってなかっただろーし」


そう言って佐久間は苦笑し、すたっとブランコから飛び降りる。




「次に会ったとき、そのときまでずっと彼女作るなよって約束、覚えてないか?」


ああ、そういえばそんなことを言われたこともあったかと、曖昧にだが徐々に思いだしてきた。


「その約束、守れてるか?」


「約束のことはよく分からないが…一応、守ってるんじゃないか、」


24になった今、残念ながらフリーであることは事実だ。



そのことを伝えると佐久間はよかったと微笑んで俺の目の前に立つ。


「ありがとう源田、」


その瞬間視界いっぱいに佐久間の顔が映る。それと同時に唇に柔らかい何かが触れる感覚。


「ずっと好きだった、あの頃からずっと。」



佐久間にキスをされたんだと分かった今もまだ何がなんだか分からなくて俺はただ唖然と佐久間を見つめる。


「けどあの頃の俺には誰かを好きだなんて言えるほどのものじゃなくてな、」



「諦められるものなら諦めようと思ってたけど、駄目だったんだ」


そう言って苦笑する佐久間は月の明かりで薄暗く照らされすごく綺麗で目が逸らせない。



「だから今、お前のこと迎えにきてやったんだ、今なら源田一人くらいしっかりと愛せる自信はある」



「佐久間…」


「ちなみに源田に拒否権はない、分かってるよな?」


「…嗚呼、」


その笑顔は変わってないけど、昔よりも更にかっこよくなったと微笑した。





知らずに成長してたもの

(君への想いは変わらないけど)
(想いの大きさは大きくなりすぎたようです)





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24佐久源でした…!24源田って何やってるんだろう…


源田は色恋沙汰には鈍くて30くらいまで結婚とかは無くてもいいんじゃないかなーっていう自分の妄想←



佐久間となら今すぐにでも結婚してほしいです、その時は私もしっかり式に参加しまs(

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