CP小説
□素直の逆方向ベクトル
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「あー…また失敗した…」
チョコクッキー作りを初めてから2時間程たった今、何回失敗したのだろうか。
「まぁいいじゃないか、それにホワイトデーまでまだ期間はある」
「そうだけどー…」
「俺は想いがこもってればそれでいいと思うんだけどな?」
「でもあげるなら美味しい方がいいだろー」
ため息混じりにそう言うとそれはそうだなと苦笑する源田。
料理ができるやつは余裕でいいよな…
「はぁ…」
「そんなため息ばっかついてると作れるものも作れなくなるぞ…あ、」
「ん…?どした?」
「顔にチョコ、ついてるぞ」
「えっ、ちょ、顔のどこに…」
慌てて腕で顔を拭おうとすると源田にその腕を掴まれその変わりに源田の顔が近づいてくる。
「ちょ…っ」
「ん……よし、とれた」
「なっ…!?お前何舐め…!!」
源田は爽やかな笑顔でご馳走様、とふにゃっと笑う。こっちの身にもなってほしいものだ。
今の衝撃の出来事のせいで妙に熱いし触れられた頬はその時の感覚を忘れられずにいる。もう何も手につかない。
「美味しかったぞ、チョコ」
「…っ、ばーか…」
顔を手で覆いその場にしゃがみ込む。自分はやられた側なのに恥ずかしさで倒れそうだ。
「もう一回クッキー作らなくていいのか?」
「うるさい、源田のせいでもう作れない」
「俺のせいか、」
人のせいにするのは良くないぞと源田は苦笑を零すがこうなった原因はお前だっての。
「佐久間からのチョコクッキー…いいな…、貰えるやつが羨ましい」
「…?欲しいわけじゃないよな…、」
「欲しいに決まってるだろ、自分の想い人に貰いたいと思うのは当たり前だろ?」
「っ…、余ったら…!仕方ないからやるよ…っ」
素直の逆方向ベクトル
(本当はお前の為に作っていたなんて絶対言えない。)
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ホワイトデー前に佐久間がクッキー作りの特訓。
源田にあげるつもりで作ってるけどそうとは言えない佐久間、みたいなね←
ネタ提供していただきますた・×・