FF7

□英雄に好きなものが出来ました。
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最近、セフィロスの様子がおかしい。いや、可笑しい。

戦闘中もやたらボケッとしていたり、かと思えば急にやる気だして決めポーズとってみたり。
報告に来た部下の話なんて上の空かと思えば、やたら上機嫌で報告を受けてみたり。

風の噂では、最近チョコボを大量に飼い始めたらしいとか、神羅のチョコボ舎の珍しい黒チョコボ達をわざわざ黄色の普通のチョコボに入れ替えたとか…云々。
あまりにもまことしやかにささやかれているのだから、少なくとも八割は本当なんだろう。

あんな図体して、チョコボにハマったのか?
人の趣味にとやかく言う気はないが、似合わなすぎる。


……まぁ、俺も似たようなもんだから、他人の事言えねーんだけど。

「ザックス〜」

ツンツンなチョコボ頭を揺らして、可愛く駆けてくるのは他でもない、俺の可愛い可愛いクラウドだ!!

「誰が貴様のだバカ者」

「なっ!心の声ならまだしもモノローグを読むな!」

にまにまと緩む顔を押さえきれずに両手を広げて待っていると、後ろから脳天へチョップと共に氷のような声がプレゼントされた。

「だああ、俺の素敵ヘアーが崩れるでしょーがっ!!」

そのまま無言で手を押し付けるのはやめて欲しい。
真ん中がへこんで逆モヒカンになりかねん。

「あれっ、セフィロスさん!相変わらず仲良いね、二人は。……いいなぁ」

近くまで来てようやくセフィロスに気がついた愛しいチョコボ…もといクラウドは、そんな検討違いの事を言って少しションボリする。

「ふ、クラウド、気色の悪いことを言うんじゃない」

え、ちょ、今この英雄様はさらりと気色悪いとか言わなかった?

「ベッドの中まで仲良くしたいのはお前だけだぞ、クラウド」

えええええ!!
ちょ、なにサラリと変態発言してんのこの英雄様は――!?

やめて!爽やかな笑顔で白い歯を光らせながら変態発言はやめて!

「そんでクラウドもちょっと照れるな!」

「ザックスは…?」

思わず突っ込んだら急に潤んだ瞳で見上げるクラウド。
なんでこんなに可愛いのこの子。
理性?なんですかそれ、美味しいの?

「俺の愛のスカウターは何時でもぶっちぎり計測不能だぜ!」

ぴょーん、と飛びかかれば、すかさず英雄様に片手で阻止される。
もちろん逆モヒカン用チョップと氷点下も真っ青な青筋付きだ。

「じょ、冗談だよセフィロス……あはは」

素直に一歩下がれば逆モヒカンからは解放された。
って正宗!正宗の鞘から手を離して英雄様!!
もう飛びかからないから!!
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