FF7

□2013、ティファのお年玉
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「新しい年になったな、クラウドよ」

冴え渡る空気に清らかな風。
白銀に染まる世界に溶け込むような艶やかな髪をたなびかせ、かつての英雄は愛しい青年を見つめていた――……。




ぞわ、といつもの鳥肌がクラウドの身体を覆う。

もはや変態<と書いてセフィロスと読む>探知機と化しているような彼の姿に、幼なじみのティファは憐憫(れんびん)の眼差しを向ける。

「いい加減許してあげたら?」

セフィロスの軌跡を追いながらも、その気配に怯えるクラウド。

各地にちりばめられた彼(か)の人の残り香を求めながら、過去の所業を許せずにいる幼なじみは、きっとこの旅で少しずつ受け入れようと……。

「いいかティファ。許すとか許さないとかじゃない。気持ち悪いんだ」

受け入れ、ようと……。

「あれはただのストーカーだ。日がなどこからか送られる熱い視線、戦いの際に隙あらば触れようとしてくるしつこさ、いつの間に入り込んだのか夜な夜な耳元で囁かれるムダに腰にくるバリトン…!」

悪夢だ、と頭を抱えるクラウドに、ティファは思わず半目になる。

なんかもう、ほぼ受け入れてるよね。

「セフィロスー?私たちからお年玉よ。しばらくクラウドお願いね」

私たち温泉にでも行ってくるわ、とティファはなんだか急にどうでもよくなって、その辺に居るであろう英雄に声を掛けてクラウドに背を向ける。

「は!?え!?ティファ??」

サッと顔を青くして、仲間たちの後ろ姿に手を伸ばすが、ひらひらと振られたしなやかな手は、どんどん遠退いていく。
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