FF7

□旅行気分
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「寄るな変態っ」

イライラを隠そうともせず、むしろ全力でぶつけるようにクラウドは吐き捨てた。
眉間のシワが消える気配はない。

そしてありったけの拒絶をものともしない我らが英雄様はというと。

「よいではないか、よいではないか」

まるで三下(さんした)の悪役よろしく、緩みきった口元に延びきった鼻の下を晒してクラウドを追いかけ回していた。
狙うはクラウドの腰からひらひらとセフィロスを誘う動きをしている浴衣の帯である。

無論、誘っていると思っているのはセフィロスだけなので。

「いいわけあるか!!」

律儀にツッコミをいれる辺りがなんとも可愛らしい主人公である。

はてさて、なんだってこんな事態になっているかといいますと。

クラウドを哀れに思ったバレットとユフィの提案で、アイシクルロッジから一転、ウータイへとやって来たクラウド一行。
宿で浴衣へと着替え、酒と肴で旅の疲れを癒していたところ、スターンと軽快な音をたてて襖(ふすま)が開いたのだった。
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