短編

□Time
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4月1日と4月2日。

ほんの数時間生まれるのが遅かった所為で同じ空間にいられないなんて、とても不条理だと思う。




学校が終わりいつものように俺の部屋のベットで互いの温もりを確かめあった後、しばらくぼんやりと天井を見上げていたら。

「…巧(たくみ)、どうした?」

不意に抱きしめていた枕からちらりと顔を覗かせて、微笑みながら友紀(ゆき)は言った。

てっきり寝ているかと思っていたから少し驚いた。

「別になんでもありませんよ」

素知らぬ顔でそう告げると、少しだけむっとした顔になる。

「嘘付け。イライラしてるだろ」

わずかに体を起こして俺に手を延ばしてすと、まだほてりの残る体に頭を預けてきた。

「何かあった?」

見上げてくる瞳に一瞬吸い込まれそうになる。

「…どうしてイライラしてると思ったんです?」

はいともいいえとも答えずに、俺は友紀のサラサラの髪をすきながら聞いてみた。

しばらく迷うそぶりを見せてから、友紀は頬を染めて小さく呟いた。

「…その、いつもと…違ったから」

言った言葉の恥ずかしさに耐えきれなかったのか、友紀は俺の胸に顔を埋める。
友紀の体温が一気に上がるのが肌で感じとれた。
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