短編

□ア・モーレ!
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スレンダーな体からすらりと伸びた手足。

陶磁器も驚いて割れてしまいそうな程滑らかそうな白い肌。

少し釣り上がり気味の、愛らしい瞳。

普段は悪ぶっているくせして時折見せる天使の微笑み。

ああっ、どれをとってもまさに理想の恋人!!

「ふふふ……イズミくん、君はなんて可愛いんだ……!」

薄暗い部屋の中で大画面テレビを眺めながら妖しく…いや、怪しくにやける少年がここに一人いた。
彼の名前は小林修(こばやし しゅう)、今年高校三年生になったごくまともな若者である……ただ、ある一点を除いては。

「ああ、もうエンディングか…………明日は日曜だし、一話から全部見よう」

時計とテレビを交互に見てからそう呟いてDVDを取り出す。
パッケージに傷一つ付けないように気をつけながら中身を取り出したそれを元の場所に戻すと、手慣れた手つきでリモコンを操った。
再生されたのは先程までリアルタイムで放送されていたアニメの第一話目。

そう、彼は自他共に認めるアニメオタクだった。

「何度見ても可愛いなぁ…イズミくん」

そして彼が最近ハマっているアニメの中で一番のお気に入りは、主人公の友人イズミくん。

このイズミくんが、彼の人生を更に大きく変えることになる。




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