短編
□Honey Face 番外編
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放課後の体育館。
満ちる熱気とボールの弾む音。
そして――……。
「きゃあぁっvV」
――パシャパシャッ
黄色い声援と、堂々たる盗撮の音。
「しゅ、集中できない…」
応援してくれるのはありがたいけど、さすがに気が散る訳で。
「俺が言ってくるよ」
困っていた俺の気持ちを察してくれたのか、そう言って雅寿が歩いて行った。
爽やかお兄さんに任せておけば、彼女達を怒らせる事なく帰らせてくれるだろう。
俺は気を取り直して練習を再開することにした。
ところが。
「…何やってんだ、あいつは…?」
雅寿が一向に戻ってこないので苦戦してるのかと思いきや。
一緒に写真撮ってないですか?
怒りに拳が震える。
雅寿が戻ってくるなり、俺は胸ぐらを掴みあげた。
「何仲良く写真撮ってんだよ!?」
てめぇ注意しに行ったんじゃねぇのか!
睨みながらギリギリと締め上げる。
「まぁ帰ってくれたんだから…」
雅寿の顔がわずかに青くなったその時。
――パサッ
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