FF7
□英雄?いいえ、あれはただの変態です。
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一方その頃、噂の英雄は――……。
「フフフ、娘とおっさんにしては良い発言だ。もう少しの間だけクラウドの側にいることを許してやろう」
相変わらずクラウドの死角を高速移動しながら偉そうに余裕の笑みをこぼしていた。
心配されているおなかには昔遠征の時にクラウドからプレゼントされた腹巻きが巻かれている。
専用防具にちょうど隠れるデザインで、カイロポケットもついている優れものだ。
「私にこの腹巻きをつけてほしいと思ったんだろう、可愛いやつめ」
クックックッ、と肩を震わせ、カイロポケットにそっと手を忍ばせる。
指先に触れたのは、手袋越しでもわかるさわっとした布。
いつぞやクラウドが女装した時に入手したセクシーランジェリーだった。
「たとえ極寒のこの地でも暖かいぞクラウド…!!」
嬉しさに高笑いしそうになるのをぐっとこらえ、今夜は暖めてやるぞ、と熱い視線を送り続けた。