□はっぴーばれんたいん♪
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佐久間
「おーい!琴音!!」

琴音
「鬼道!佐久間!…と不動ちゃん」

鬼道
「おはよう」

琴音
「おはよー」

不動
「なんで俺だけ【不動ちゃん】!?」

琴音
「ん?その方が可愛いから♪」


今日は2月14日
そう、バレンタインデー


琴音
「はいっ!!」

佐久間
「えっ!?バレンタインくれんの?」

琴音
「もちろん!コレが鬼道と佐久間の分」

佐久間
「うわぁ、めちゃ嬉しい!!」

鬼道
「ありがとな」

琴音
「どーいたしまして♪」


昨日が日曜日ということで、今回は手作り
チョコマフィンを作ってみた
それを鬼道、佐久間に渡す


不動
「俺のは!?」

琴音
「あるわけないでしょ」

不動
「はぁあ!?」

鬼道
「普段の行いのせいだな」

佐久間
「そうそう。俺たちは普段、琴音に優しいもんね」

琴音
「うん、二人とも大好きだよ〜♪」

不動
「けっ…勝手にしろ!」


そう言って不動は、一人で学校まで行ってしまった
拗ねちゃったかな?
でも…しょうがないよね…
今だけ、今だけだから


鬼道
「いいのか?こんな盛大に差を見せつけて…」

琴音
「ちょっとマズかったかな?」

佐久間
「まぁ…後からいいことあるんだし、いいんじゃね?」

鬼道
「確かにな」

琴音
「えへへ♪」

佐久間
「なに作ってきたんだ?」

琴音
「二人にはチョコクッキーだよ」

鬼道
「じゃなくて、アイツに」

琴音
「秘密に決まってるじゃん♪」


鬼道と佐久間はお互いの顔を見合わせて、少し苦笑していた
でも私には、関係ない


琴音
「じゃあね」

鬼道
「ああ」

佐久間
「また後で」


話しているうちに、学校まで着いていた
二人とはクラスが違うから、ここでサヨナラをする


琴音
「不動ちゃん」

不動
「…………」

琴音
「不動ちゃん……不動」

不動
「んだよ…」

琴音
「無視しないでよ」

不動
「別に。お前がうるさいだけだろ」

琴音
「さっきだって先に行っちゃうし…」

不動
「どーしようと、俺の勝手」


私・鬼道・佐久間そして不動は、察しのように仲が良い
クラスは離れてるけど、毎日一緒に登下校をしている
その中で私と不動が同じクラスになった


琴音
「もぅ、寝ないでよ〜」

不動
「……うるせ…」


朝バレンタインをあげなかったのが原因なのか、不動の機嫌はすごく悪い
はぁ…
作戦が悪かったのかなぁ…


*――*昼休み*――*


佐久間
「どうした?元気ないな(笑)」

琴音
「うぅ〜」

鬼道
「不動となにかあったか?」

琴音
「うん…」

佐久間
「聞いてやるから、元気だせ。な?」


佐久間が私の髪を撫でて慰めてくれる
ここは、隣の教室
つまり鬼道と佐久間の教室だ
そして不動は何処かに行ってしまって、ここには居ない


琴音
「あのね、」


私はさっきまでの、不動とのことを話した
朝話しかけたときに不機嫌だったこと
休み時間に話しかけても無視されたこと
そして一番辛かったのは、お弁当の時間だった
うちの学校は学食はなくて、みんなお弁当を持ってくる
クラスで仲が良いのは不動だけだから、毎日二人で食べている
いつもはずっと話をして二人で笑っているのに、今日は会話もなかった


佐久間
「一言も!?」

琴音
「一言もぉ…辛かったぁ…」

鬼道
「不動のやつ、マジで機嫌悪いな」

佐久間
「よしよし」


話をしている間、佐久間はずっと頭を撫でていてくれた
佐久間のこういう優しいところが好きだ
あと面白い
鬼道は冷静なところ、そして彼も優しいところが好き
不動は…


琴音
「なんで私は…佐久間や鬼道を好きにならなかったんだろ…」

鬼道
「そんなものだろ、好きという感情は」

佐久間
「俺ならいつでも空いてるぞ!」

琴音
「でも…」

鬼道
「不動を好きなんだもんな?」

琴音
「うん…//」


そう、私は不動が好き
どこが好きなのかは、自分でもよくわからないけど…
一緒にいて一番楽しくて、一番安心して、一番疲れる
鬼道・佐久間・不動の三人の中で一番我が儘だし、一番うるさいけど…
一番好き。


鬼道
「まぁ、放課後だな」

佐久間
「そうそう。放課後頑張れ!」

鬼道
「不動は俺たちが呼び出しておいてやるから」

佐久間
「何処がいいかな…屋上?中庭?」

琴音
「…屋上…」

佐久間
「わかった!」


放課後、不動を呼び出して告白するつもり
ここにいる二人にあげた、チョコマフィンとは別に作ったバレンタインを持ってきた
不動だけ特別に作った物だ
それを手に、告白する……


琴音
「…………………」

佐久間
「大丈夫、うまくいくよ!」

鬼道
「あんまり緊張しない方がいい。あと喧嘩腰になるなよ?」

佐久間
「素直に言えさえすれば、全然オッケイだって」

琴音
「………悩んでたって仕方ないよね。がんばるっ!」

佐久間
「おう!頑張ってこい!!」

鬼道
「いざとなったら、慰めてやるからな」

琴音
「鬼道酷い!」

佐久間
「俺も慰める(笑)」

琴音
「佐久間まで〜(泣)」


二人に相談してあって良かった
好きだって気づいたとき、すぐ二人に相談した
最初は驚いた顔をしていた二人だったけど、最後には「やっぱりな(笑)」と言ってくれた
不動の事で困ったり悩んだりすると、必ず二人は助けてくれる
今回の告白だって、ここまでの二人の支えがあったからしようと思ったし…
バカにしてるような言葉だって、私にとってはすごい心の支えになっている
感謝してもしきれない


鬼道
「あっ、予鈴鳴ったな」

琴音
「じゃあ私は、教室戻るね」

佐久間
「あとニ時間の我慢だ!」

琴音
「あぁっ!今日六時間目まであるじゃん!!」

鬼道
「ちょっと辛いな(笑)」

佐久間
「色々頑張れ!」

琴音
「うえ〜…」


あと二時間無視されるのは辛い…
でもしょうがないか
……はぁ〜、早く不動といつものように話したい
でも、振られたら話出来なくなる…かも…
告白するの、止めようかな…
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