□第四話:南沢さんと授業ですよ!
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「やほー絵理ちゃん!おっはよーっ!」

『おはよう』

「あれ?やけに機嫌いいじゃん。なんかあった?」

『へっ?』

「まあいいんだけどぉ(笑)」


なんだ?
琴音ちゃんのテンションが高い上になんか暑苦しい。
いや、いつもハイテンションな上に暑苦しいんだけど…?


「絵理ちゃん?早く学校行かないと遅刻になっちゃうよ!」

『あ、うん』


でもまぁいいや。
私も今日はテンション高いしね(笑)

教室について、教科書を鞄から出す。
するとふと目に留まったケータイ。
み、南沢さんが見たい…!


『…』

“なに?”

『い、いえ。なんでも』


そっとケータイを開け一瞬南沢さんの不機嫌そうな顔を拝見し、机の中にしまう。
うん不機嫌な顔も可愛いぞ!エロいぞ!
よし、今日も一日頑張りますか。










授業中。

あーやばい、さすがに眠くなってきた。
最近の夜更かしが悪かったかな…。


『ふぁ〜』

“欠伸かぁ?もうちょい授業真面目に受けたら?”

『み、南沢さんんんんんっ!?』

「「「「………」」」」

『あっ…な、なんでもありません…』


つい。
大きな声が出てしまいまして…。
クラス中から視線頂きました!←やけくそ
ケータイ閉じとくの忘れたのか、私…。
ああ、南沢さん見たさに朝ケータイ出したのが悪かったかな。
ちゃんと鞄にしまっとけば…!


『もうっ!いきなり話さないでください!』


まわりに聞こえないくらいの小さな声で話すと、少し楽しそうな顔をした南沢さんが小声で答えてくれた。


“俺だって暇なんだよ”

『そんなこと言われても…』

“絵理〜、ひーまー”

『と、とりあえず休み時間までは静かにしてて?』

“わかった。…絶対構ってくれよ?”

『〜っ!…はい』


満足したようだ。
ケータイを閉じて、先生に見つからないように鞄にしまう。
しまってほっとしたと同時に思い出したのは、いましがた南沢さんがした笑顔。
少しバカにしているような、でも甘えているような…そしてそしてエロチックな笑顔。


『反則ですよ…あの顔…』


顔が赤くなったのを周りに気づかれないように、机の突っ伏した。
クーラーの風がやけに涼しかった。
 

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