文章

□飴
2ページ/4ページ

「それにしても立花先輩を好きになるとは…」
そう言って窓の方を見る滝ちゃんに僕も窓の方へ視線を移すと、立花先輩と楽しそうに話している潮江文次郎先輩が視界に入った。
潮江先輩と立花先輩は、幼なじみで生徒会の会長と会計の関係で、そして、…恋人同士でもある。
初めてそれを知ったとき僕は酷く後悔した。何で早く自分の気持ちに気づかなかったんだろう、と。
ふと窓の外でこちらに気づいたのか小さく手を振っている立花先輩に手を振り返すと、後ろからタカ丸さんがのし掛かってきた…重いから退いてほしいな。
「本当にあの二人は仲がいいね〜いつも一緒だ」そう言いながら僕の髪をいじり出すタカ丸さんをほっといていると既に、授業終わりの鐘が鳴ったのだろうか、ゾロゾロと教室に戻ろうとしていたそれでも一緒にいる先輩方に僕はそれを眺めながらぽつりと呟いた「何時も一緒でも、何時かは…離れるのが常ですよ」
呟いた時、滝ちゃんたちの顔が強張った気がしたが気にすることなく僕は教室から出た。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ