■小説1

□浦マユ千一夜物語
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題:「浦マユ千一夜物語」
  (アニ鰤第287話パロ)
  (注:性的表現有り)
  「其の壱」
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「むぅ…此処は?一体何処なんだネ?」

気付くと見知らぬ場所にいた。

アラビアンナイトに出てきそうな豪奢に造られた部屋の、天蓋付きベッドの上で、蒼い髪の男は目を覚ました。
そっとベッドから降り、楕円形の金の縁飾りのある大きな鏡の前に立つと、まじまじと映り込んだ己の姿を見てみる。
身につけている服装はまたいかにもと言った千一夜物語にでも出てきそうなものであり、まるで身に覚えがない。

鏡に写った自身は、深い海のような藍色の髪と抜けるような白い肌。確かに美しいが決して健康的とは言えぬ容姿だ。が、それは間違いなく己のものだ。只こうして自身の顔を見ても名前すら思い出せないのだから、気味悪い事この上なかった。

「あれ?もう起きちゃってたんスかぁ?」

その時、がちゃり、と音がして部屋の扉が開き、男が入って来た。男もまた己と同じような服装をしているが、違う所と言えば頭にターバンを巻いている。その容姿は中々に眉目秀麗であり、巻かれたターバンから覗く柔らかそうな金髪は、蒼髪の男とはまた違った見目である。

男は手に持っていた食事の載った盆をベッド脇の小振りな棚の上に置くと、にこにこと笑みを湛え乍近づいて来た。と、蒼髪の男の顔を上から覗き込む。

「んんー…やっぱり綺麗っスねぇ…うっとりしちゃいますよォ、アタシ」

男はとろり、と蕩けそうに目を細めて蒼髪の男を見ながら頬を染めた。

「な、何だネッ?気色の悪い…所で、貴様何者だ。私を知っているのかネ?」

「あ、やっぱり此処での記憶はないんスね。いいでしょう、お教えしますよ」

蒼い髪の男を再びベッドに誘導し座らせると、金髪ターバン男もまた隣に腰掛けた。そうして男は勿体振った体で話を始めたのである。

「此処は異世界−ランプソサエティ。で、アタシは街一番の豪商、ウラ・ヴィラと申します。そして貴方はマユーリさん。ランプ十三隊の隊長の一人です。詳しくはアニ鰤第287話を思い出してくださいね」

「ム、何処かで見た事があると思ってはいたがあの話かネ。死神代行、黒崎一護が確かチーゴとかいう名前で呼ばれていたが。と、いうかウラ・ヴィラ貴様ッ、浦原ではないかネッ?!」

「あら?記憶がお戻りで。それなら話が早いっス。どんどん展開進めて行きましょ」

どさり、とマユーリはウラ・ヴィラにベッドに押し倒された。徐々に迫るウラ・ヴィラの顔に真っ赤になってマユーリは抵抗した。

「なッ、どうしてそうなるんだネッ?!浦原、貴様ッ!異世界でもこんな事ッ…!!」

「あぁ、やっぱり説明しとかないといけませんかねぇ。貴方の気持ちの問題もありますから。ではお話しますがね。マユーリさん、貴方は借金の形に売られたんス。今日からアタシの花嫁になったんスよ」

「しゃ、借金の形?花嫁?話が全く読めないが?大体私には借金など無いヨ。私は経済観念はしっかりしている」

「んー、誰も貴方の借金とは言ってませんよ。貴方の所属するランプ十三隊、実は実質大赤字でしてね。ホラ、血気盛んで建造物壊したりする輩も多いでしょ?で、アタシの所に援助を申し込んで来たんスよ。あ、アタシ街一番の豪商ですから、金は有り余る程あるんス。金を借して貰えるなら何でもするって言うものですからぁ、前々からアタシが懸想していたマユーリさんを頂きたいって総隊長に話したんスよ。そしたら渋々乍も了解して貰えたんス」

「な、ななッ…馬鹿なッ?!何故私がそんな事の犠牲にならないといけないのかネッ?!冗談じゃあないヨッッ!!そこをどき給えッ!」

マユーリはウラ・ヴィラの腕を摺り抜けようとした。が、がっしりと抑え付けられていて身動きが取れない。

「残念乍お帰しする事は出来ませんよ。総隊長には既に多額の報酬をお渡ししてるんス。マユリさん、貴方は今晩アタシと結ばれる運命にあるんスよッッ!!」

「既に設定無視して私の呼び名も普通になってるじゃあないかネッ?う、近づくんじゃあないヨッ!!ヒィッ…!!」

「はぁッ、はぁッ…マユリさんッ…も、もう限界っス…無理矢理は好みませんけど…赦してくださいッッ!!」

「んッ、うぅむッ…やッ」

ウラ・ヴィラ…いや浦原の唇がマユリの唇を無理矢理奪う。
抵抗しようとするマユリの頭を浦原は片手で抑えつけ、愛しいその咥内を味わうべく舌を唇の隙間から挿入する。浦原のぬるつく舌先がマユリの舌を絡め取り、溢れる甘い唾液を、じゅう、と吸い上げる。
噛むように角度を変えて続く浦原の口づけに、やがてマユリも酔い始めているようだ。必死に抗っていた腕が心無しか弱まっている。

「はぁ、はぁッ…マユリさん、一つになりましょ。そして、二人のあかちゃん作りましょうッ」

「戯れ事を…私は男だヨ。子など出来る訳ッ…」

「あれ?マユリさん知らないんスかぁ?此処は浦マユサイトっスよォ。管理人の腐った脳内では、毎晩マユリさんはアタシと×××してるんスよ。つまり此処ではどんな事でも管理人の思いのままなんスよ。そんな訳で…あかちゃん位マユリさん孕めます…」

「そ、そんな馬鹿な、ッ…」

「はぁッ、はぁッ…だから、ね…マユリさん…」

浦原の顔はマユリの白磁の首筋に埋められた。蒼髪とやわい肌の間からマユリの甘やかな汗の匂いが微かに香る。それは浦原を高ぶらせるには十分であり、興奮した浦原は抑えが効かなくなり、マユリの首筋を舌でちろちろと舐め回し始めた。
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[其の弐へ続く]
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