短編
□ツナギトメル
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現在俺は何故か六道(大)と部屋に2人きり。
ベッドに座って天を仰ぐ六道と、椅子に座って読書中の俺。
六道の方にチラリと目をやると眠そうな瞳をこすっていた。
そんな彼の隣に座るべく、俺は椅子から離れベッドに座った。
「六道…」
「どうしたの?」
という六道の言葉をスルーし、彼の顎をクイっとこちらへ向かせる。
少し高い位置にある相手の唇をなぞり、だんだんと自分の唇を近づけていく。
瞳に映る端正な顔立ち。
「んっ…」
唇が触れた瞬間の彼の顔は実に滑稽だった。
慌てふためく六道。
唇を離すと目の前にある真っ赤な顔。ついさっきまで触れていたところをワイシャツの袖で押さえながら、こちらを見ていた。
「お前、割と隙だらけだな」
「えっ?!」
何をされたかを理解できていない様子がまたいい。
こいつをあの気持ち悪い理事長が忠誠誓わせてたと思うと虫酸が走る。
だから、こうして鎖を繋げていく。
俺の気持ちに気付くまで、だんだんと支配していく。