短編
□an abandoned pieace
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「よし、袴田死んでこい!」
理不尽なことばかり言いやがる。いくら俺が『蘇』るからって、人権とか尊厳ってもんは無いのか。
まぁ、この高校においてはそんなもん関係ないんだろうな。
何てったって学校が生徒を殺すんだから。
それを考えると死んでも『蘇』る俺は、この状況下ではかなり有利になるのだろう。
とは言っても、この文字は自分のためにしかならなくて、誰かを助けるとかいうのには向かない。
それなのに役立たずの俺に居場所を作ってくれたお前は、
「お前、結構いいやつだよな」
そう言って少し頬を緩めた。
―その顔が忘れられなくなった。
まぁ、捨て駒だって構わねぇよ。俺がお前の役に立てるなら、どんな形であろうとさ。