短編

□an abandoned pieace
1ページ/1ページ



「よし、袴田死んでこい!」


 理不尽なことばかり言いやがる。いくら俺が『蘇』るからって、人権とか尊厳ってもんは無いのか。
 まぁ、この高校においてはそんなもん関係ないんだろうな。
何てったって学校が生徒を殺すんだから。



 それを考えると死んでも『蘇』る俺は、この状況下ではかなり有利になるのだろう。


とは言っても、この文字は自分のためにしかならなくて、誰かを助けるとかいうのには向かない。


それなのに役立たずの俺に居場所を作ってくれたお前は、

「お前、結構いいやつだよな」

そう言って少し頬を緩めた。

―その顔が忘れられなくなった。



 まぁ、捨て駒だって構わねぇよ。俺がお前の役に立てるなら、どんな形であろうとさ。




[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ