短編
□変態的な君が心配です。
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「おい、六道」
名前が呼ばれた。いつものように、ぶっきらぼうなふうで。
「何?」
ベッドで横になっていたオレは体をお越しいつもそう返す。
大きな耳をピクピクと動かし、小さな尻尾を懸命に動かす。それが彼の仕事だ。
「なんかしようぜ」
「何がいい?」
そう返せば「わかってんだろ?」と言ってすり寄ってくる。
「昨日もやったでしょう?」
「昨日は昨日だろ?」
「しかたないなぁ」
まぁ、こちらもそのつもりだったので何とも言えないのだが。
塞がった唇の端から不規則に息を漏らす。最近では自分から舌を入れてくる程になった。
顔を紅潮させ唾液で濡れた唇をぺろりとひと舐めした彼は、オレの首筋にあまがみし、チロチロと舐めてくる。
「なぁ六道、俺のこと好きか?」
「嫌いって言ったら?」
すると彼は心底嫌そうな顔をし、「いや…」とだけ言った。
その表情に満足したオレは「嫌いなわけないでしょ?」と言ってまた、キスを落とした。
―――――
(発情期日向。)