08/30の日記

00:30
神様と光・2
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「神様と光・1」の続き





雷を合図にしたかのように、ポツリと雨が落ち始める。
雲の間が、また怪しく光った。

「あ、あやね……雷ダメなんだった」

あやねは、同じく施設で過ごしている5つ年下の女の子だ。
絳攸と同じく、ピアノが好きで、二人で教会に入り浸ってはピアノを弾いている。
今日も、そうして過ごしていた。

「院長先生を探してくるから、あやねは教会で待ってて。すぐ戻るから」

そう言って、出てきたのだ。
教会には、あやねが一人……
雷が苦手な彼女は、小さな体を更に小さくして、泣いているかもしれない。
そう思うと、足の歩みが早まった。

雨の中を駆ける。
雨は、すぐに勢いを増し、土砂降りになった。



「はぁ、はぁ……」

息を切らしながら、教会の扉に手を掛ける。

すると、その瞬間、まばゆい光と共に、すさまじい轟音が鳴り響いた。



ゴロゴロゴロ――……



その音に、絳攸も思わず身を屈める。
近くに落ちたかもしれない。光と音に時差が無かった。とても近いはずだ。

もう一度、凄まじい音が耳を裂いた。

「……違う、あやねを……助けに来たんだ、僕は」

違う。ここで身を屈めているのはダメだ。
絳攸は立ち上がると、教会の扉に手を伸ばした。
その時だった。



「ピアノの……音?」



扉の向こう側から、それは聞こえてきた。
その音は、今まで聞いてきたものとはまるで違う。
誰……?一体、誰が弾いているのだろう。

扉を押す腕に力をこめる。
キィと小さな悲鳴を上げて、古い扉が開いた。





まだ続きます〜。

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