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□ハナコトバ【シズイザ】
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「臨也、ほれ」
「!?」
突然頭上から降り注ぐ色とりどりの花束。
「え、シズちゃん来てたの?」
「気づかれないように入ってきたからな」
「あ、ドア壊してないだろうな?」
「お前の助手と入れ違いでな」
助手というのはついさっき帰って行った波江という有能な女性のことだ。
あることがきっかけで俺の下で働かざる負えなくなったんだよね♪ま、そのことに関して俺は無実なのだけれど。
「つーか、これについてコメントは?」
「あ、」
俺の頭上から降り注いだ花束を指差す。
この花はパンジーといって、世間一般的によく知られている花、公園になんかよく咲いているよね。
ちょうど今の時期、5月から6月ごろによく咲く花だ。
「毎年毎年よく覚えているねぇ、シズちゃんのくせに」
「一言余分なんだよ。ノミ蟲野郎が」
「君もね」
パンジーの匂いを間近でかぐと、結構いい匂いするんだよねぇ。
そう思って俺は紫色のパンジーを手にとって匂いをかぐ。
香りを堪能した後、そのままそのパンジーを自分の耳にかける。
「どう?似合うでしょ?」
「他に言うことはー?」
「シズちゃんこそ」
「うっせぇ。お前が言ってから言ってやる」
「やだよ。それより先にシズちゃんの言葉が聞きたい」
あーめんどくせぇとぼやくと、シズちゃんは照れたように頭をかく。
そりゃぁこんな突然押しかけてきて、しかも俺の家を花まみれにし、挙句の果てに何も言わないとかないじゃんね?
「あー…その、あれだ」
「あれってなぁに?」
「だからー…」
---誕生日、おめでとう
あぁ、
あのころと何も変わらない。
何も、
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---高校時代
5月3日。
世間はGWだのなんだので気を伸ばしている時期だ。ちょうど新学期が始まって疲れが溜まってたし、GWがあるのは気晴らしになってとても嬉しい。
「(明日はサンシャインにでも行こうかなぁ…あ、でもあの近くってこの間ちょっと酷い目に遭わしてやった不良のたまり場だしなぁ…)」
明日も自宅警備員をするか?と一瞬だけ思うが、明日は家にいるとかえって疲れると思うのだ。
主に妹達のせいで。幸い今日はいないらしいけど、明日は家にいる予定だって言ってたし。明日はなんとしても外に出なければ!
「ドタチンとか暇してそーだし…」
メールをちょちょいっと打ってやると、珍しくすぐ返事が来る。
ドタチンってそんなに頻繁に携帯使う人だっけなぁ。
少し不思議に思いながらも、短く書かれた文章を読む。
「…明日は無理?」
それだけ打たれていた。しかも無理がひらがなで「むり」と打たれていた。
いつもならそんなへましないのに。そんなに焦ってメール打ったのかなぁ?
「はーぁ…、一人でどっか行くしかないかなぁ」
信頼できる友達が少ないのってやっぱり不便だよねぇ。
まぁ、そんなに嫌ではないけれど。
「−…にしても、ドタチン何してるんだろぉー…」