「あー、おちびの彼女だにゃー」
一発で気付かれた…。あれだけリョーマくんに言われてたのに。
「越前の彼女か!あいつも隅におけねーな、おけねーよ」
「ねーねー、名無しさんちゃん!おちびのどこを好きになったの?」
おちび=リョーマくん。
そんな答えとリョーマくんの顔が頭に浮かび、私の体温が自然と上がる。
『優しいところ…です』
リョーマくんは優しい。
部活で忙しいのに、ない日は極力会ってくれるところ。
いつも私を心配してくれるところ。
ひとつひとつの行動に愛があるところ。
…越前が優しいのか?と桃先輩が驚いた顔をするが、すぐにニカッと笑い、私の頭を撫でた。
「彼女には特別ってやつか!」
桃先輩と菊丸先輩を交互に見ると二人してニコニコと笑っている。
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