PrinceU

□数えましょう
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「じゃんけんポン!」




菊丸先輩の掛け声で、みんな思い思いのを出した。負けたのは桃。




「ちぇー、俺が鬼かー」



『100秒数えたら見つけにきてね!それまで見ちゃダメだよ。じゃあ、よーいスタート!』




私の勝手なルール設定と掛け声でかくれんぼの始まり。何だかんだ私が1番楽しんでいるかも。




いつもはマネージャーだから、みんなと何かするってことがあまらない。だからやっぱり嬉しい。





『どこがいいかな…』




うろうろと動いてみるけど、なかなかいい場所が見つからない。小さい頃の記憶を引っ張りだしてみるけど、これがなかなか難しい。





「名無しさん先輩」



悩んでいると、後ろの低い草の向こうから名前を呼ばれた。かくれんぼのメンバーの中で、名無しさん先輩なんて呼ぶのは、彼しかいないからすぐに分かった。





「いい場所見つけたね、リョーマ」



私もリョーマの隣に座った。


うん、ここなら見つからなそう。結局しっかり活動してんじゃん。





「リョーマ、ちゃんとかくれんぼしてるね」


『…うるさいっす』




えらい、えらいと綺麗な黒髪を撫でるとリョーマは少し照れて、私の方とは反対側に顔を背けた。







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