モノクローム

□義理と人情そして仁義
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「ちょっと!何泣いてるのよ…!」


『だって…っ、恐かったんだもん』



全く、と萌が溜め息を吐いた。それは呆れているようだけど嫌な感じではなかった。





「名無しさんが悪いんだからね。顔がぐしゃぐしゃで酷い顔ね。越前にまだ謝ってないんでしょ?」



濡れた顔を拭きながら頷くが、涙は止まることを知らない。
それよりも今、酷い顔って言われたよね。いくら泣いてるからってそれはないんじゃないかな……。




『萌、…ひどい』


「あら、本当のことを言っただけ。越前に謝るの昼休みにしなよ」

そんな顔見せたら振られちゃうよーって萌が笑う。




『生憎だけど、リョーマくんはそんな人じゃないもん』



思わず頬を膨らませて言った。萌にはいはい、と流されたけど。






萌と話している内にクラスの子が続々と教室に入ってきた。私の顔を見るや否や、酷い顔!と誰もが言ってくる。隣で萌が面白そうにクスクスと笑ってるから、今日は何を言われても我慢しよ。



でもこれじゃリョーマくんの顔、見れないよー。昼休みまで彼の顔を見るのはお預け。







義理と人情そして仁義
(彼女はそれを持っていると思う)






-contiune-






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