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□俺を見てほしくて
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『もー、カルピン可愛い!』
「ほぁら〜」
カルピンと戯れる名無しさん。
まあ、初めて来た訳だし
カルピンと戯れるのは分かる。
…そう思って、1時間。
いくらなんでも長すぎない?
「名無しさん」
俺はベッドに寝転がりながら
最愛の彼女の名前を呼んでみる。
『ん、なあに〜』
俺の方を向かない。
だんだんむかついてくる。
俺はベッドから起きて、
カルピンを部屋から出して
ドアをバタンと閉めた。
カルピンが ほぁら〜 と
鳴いているけど、今は気にしない。
『あー、カルピン!!』
名無しさんがドアを開けようとする。
「名無しさん」
なるべく低い声で名前を呼んだ。
名無しさんは、ドアを開ける
直前でぴたっと立ち止まって
やっと俺の方を見た。
俺はベッドに腰掛け、
隣をぽんぽんと叩く。
名無しさんは、ちらっと
カルピンが鳴いているドアを見る。
「名無しさん」と
もう1度名前を呼ぶと
ようやく隣に来た。
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