そのいち
□小さくなった私
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「名無しさん!」
あれ?蜜柑と蛍が大きくなってる。
あれ?陽ちゃんも少し大きくなってる。
『みんな大きいよー』
「名無しさんが縮んだんやんか!」
手 足 視線 みんな。
『本当だ!!!!もしかして
陽ちゃんがくれた飴ってガリバー飴?』
開いたばかりの飴の袋を見ると
やっぱりガリバー飴と記されていた。
しかもご丁寧に制服まで縮んでくれた。
「おい、何の騒ぎだ……は?」
彼氏の棗とルカが教室に来た。
「え、名無しさんだよね…?」
コクコクと頷く。
呂律が回らなくて上手く話せない。
『なつめー!』
私は走っているつもりだが、
ほとんど歩くのと変わらない速さで
棗のところに行く。
棗はふわっと抱き上げてくれた。
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