そのいち
□小さくなった私
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「着いたぞ」
結局部屋まで抱っこされたままで
ゆっくりベッドに下ろされた。
『あ、ありがとう』
棗も私の隣に座る。
座っている私がすごく小さくて
何だか変な感じ。
『へんだね』
「かなり変だ」
2人で顔を見合わせてクスクス笑う。
「名無しさん」
『なあに?』
軽く上を見上げると奪われる唇。
いつものことなのに、違う感じがして
大きくて苦しくって、息ができない。
棗の胸を弱々しく叩く。
それに気付いた棗がゆっくり離れた。
『くるし…っ』
はあはあと肩で息を整える。
小さくなった分、息が続かない。
「小さい子を犯してるみてぇ」
『きょうは…しょうがないでしょ』
棗が私を自分の膝の上に乗せて、
後ろから抱き締める。
「今日は部屋から出さない」
『なんで?』
抱き締める腕がさらにきつくなる。
「こんな可愛い姿、見せたくない」
-END-