そのいち

□小さくなった私
4ページ/4ページ





「着いたぞ」



結局部屋まで抱っこされたままで
ゆっくりベッドに下ろされた。



『あ、ありがとう』



棗も私の隣に座る。
座っている私がすごく小さくて
何だか変な感じ。



『へんだね』


「かなり変だ」



2人で顔を見合わせてクスクス笑う。




「名無しさん」


『なあに?』



軽く上を見上げると奪われる唇。


いつものことなのに、違う感じがして
大きくて苦しくって、息ができない。


棗の胸を弱々しく叩く。
それに気付いた棗がゆっくり離れた。



『くるし…っ』


はあはあと肩で息を整える。
小さくなった分、息が続かない。




「小さい子を犯してるみてぇ」


『きょうは…しょうがないでしょ』



棗が私を自分の膝の上に乗せて、
後ろから抱き締める。



「今日は部屋から出さない」


『なんで?』



抱き締める腕がさらにきつくなる。



「こんな可愛い姿、見せたくない」





-END-
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ