そのいち
□取り留めておきたい
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慣れてないせいか、恐る恐ると。
でも愛はたくさん流れてくる。
しばし、名無しさんに任せていたが
やっぱりもどかしくて、俺から攻める。
荒くなる名無しさんの吐息。
このまま押し倒してしまおうか。
そう考えて、たまたま目を開けてみる。
その時に目を閉じているのに
見えてしまった名無しさんの切なげな表情。
俺はゆっくり名無しさんを離した。
「どうした?」
…聞きたい。…聞いてやりたい。
いや…聞かせてほしい。
重たそうに名無しさんが口を開いた。
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