PrinceU

□赤い顔が確信
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「菊丸先輩、好きです!私と付き合ってください!」



「ごめんね。今はそういうのよりテニスが大事なんだ。それに好きな子がいるから…」





告白の返事を断るのは苦手。
勇気を振り絞って言ってくれるのは嬉しいけど、やっぱり好きな子に言われなきゃ意味ないじゃん……。






そんなことを考えていたら予鈴が鳴り始めた。急いで裏庭から教室に戻る。
教室に入るとすぐに話し掛けてきた隣の席の名無しさん。





隣の席で俺の幼なじみ。そして片思いの相手でもある。
この気持ちは小さい頃からずっと。俺の好きって気持ちは伝えてないし、隠してる。






『英二、また断ったの?』


「今はテニスが大事だからにゃー」



テニスが大事っていうのは本音を隠すための言い訳。本当は名無しさんが好きだから……なーんて言えたら格好いいんだけどね。





さっき告白してくれた子みたいに告白する勇気は俺にはない。
だってこの関係を崩したくないじゃん。言ってダメだったらどうしていいか分からないから……。







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