PrinceU

□数えましょう
1ページ/4ページ






まだ日が傾いたばかりだが、今日の部活は手塚部長の掛け声で早く終わった。



まだ他の部活は活動しているのに、テニス部だけ終わりってなんだか変な感じ。桃に言わせると「暴れたりねぇな、暴れたりねぇよ」って感じらしい。





他の人たちはすぐに帰宅したけれど、まだ部室でウダウダと体力を有り余っている人たちもいる。






「暇だにゃー。…そうだ!かくれんぼしよ!」


こんなことを言いだすのは私の一つ上の菊丸先輩。この歳で、にゃーなんて言ってるけど菊丸先輩だから許されることだと思う。





「いいっすね!やりましょう!」


こうやって何でも乗っかってくれる桃の性格は好きだな。たまにバカみたいだけどね。





しかし2人で盛り上がっているのにも関わらず、その雰囲気を壊すスーパールーキーも残っていた。




「俺はいいっす」



後輩なのに、先輩に対してこの口調。全く強気な性格だ。それがテニスのプレーにしっかりと出ているから止めろとは言わないけど。





「名無しさんちゃんはやるよねー?」



可愛らしく菊丸先輩に頼まれたら、断れるわけがない。部誌も書き終わったし、ちょっとだけなら。




『やりますよ』


「だよな!どっかの越前とは違うよな!」




どっかの越前って…そこの越前のことでしょ。




「やるっす」


しかし、その桃の一言にうちのスーパールーキーはむっときたらしい。単純っていうか、純粋っていうか。




「よーし、決まり!じゃんけんしよ!あ、海堂もだかんね!」


「フシュー…」




あ、海堂くん居たんだ。
ごめん、ほんの少しだけ気付かなかったよ。








.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ