PrinceV

□それが僕たちだ
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恋愛とはある日突然出会ってその人に片思いして、可愛くなろうと努力して両思いになるものでそれを運命だと思ったいた、と彼に伝えると興味なさそうに相槌をうたれた。





「で、何が言いたいわけ?」


「現実は違うってこと」



現実では運命的な出会いもしていないし、片思いで努力したこともない。物心がついたときには彼が私の隣にいたから。そしていつも隣に居た彼を自然と好きになった。





「俺とあんたはそういう相性だったんじゃない?というか今そんな話する?」


「何となく思い返してみたの」




こんな日に?と呆れながら大きく溜め息を吐いたのは白いタキシードを身に纏った越前リョーマ。そして私は綺麗にウエディングドレスを着飾ってもらった。今日はたくさんの来客を招いての教会での結婚式。まさかこんな日がくるなんてね。まあ、リョーマじゃなかったら誰にウエディングドレスを着せてもらえるんだって話ですが。




「今更後悔してないよね?」


「してないよ。リョーマは?」


「するわけないじゃん。名無しさんとの結婚を決めたのは俺なんだから」



まだ式が始まってないのに何となく泣きそう。リョーマからの甘い言葉は今だに慣れない。いつだって彼は私の心臓をグッと掴む。





「幸せにしてね」



当たり前じゃん、と笑う彼は自信に満ち溢れている。分かっているんだ。これから先も私たちはお互いのことしか見れないことを。それもきっと運命と呼ぶのだろう。







それが僕たちだ
(彼が私の手の甲にキスを落とした)



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