PrinceV

□明日、異常気象
1ページ/1ページ




受験の話をすると、名無しさんならどうせ大丈夫だよと言われ続けてきた。そんな無責任なことを言う友人がたくさん。成績順に並べたらいい方かもしれないけど、それは私だってそれなりに努力したからであって。どうせって言い方はないんじゃないかな。


そんな風に言い返せば簡単に亀裂が入る関係だから言わないけど。






「で、俺の方にきたんだ」


うん、と返すと呆れたように溜め息を吐くリョーマ。何かあると彼に話しにいく。その度めんどくさいと返されるけど聞いてくれるだけで嬉しいからいいんだ。でも今日は違った。





「そんな奴らにはそう言わせとけば。名無しさんが努力してるのは俺が1番知ってるつもりだから」



多分今私すごくまぬけな顔をしてると思う。だってリョーマが優しいというかすごく優しい。つもりなんかじゃなくてそうなんだと思う。




「とりあえず無理はしないで」


そう言ってリョーマが私の頭を撫でた。何だこれ、優しいを通り越してむしろ怖い。ベタだけど明日は雨?それとも豪風雨?やだな、明日体育あるのに。





「今日のリョーマ優しいね」


「好きな奴には特別」


あまりにもしらっと言うからスルーしそうになった。








明日、異常気象
(これからも俺にだけ話して)




.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ