モノクローム

□立ち入り禁止
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友達がいるから大好きな学校。そうでなければ勉強ばかりの嫌な場所。
私はこの青春学園なんて恥ずかしい名前の学校に通っている1年生だ。ちなみにクラスは2組。





『お弁当の時間は幸せ!』


「もう、名無しさんはいつもそればっかりなんだから」




美人でスタイルのいい萌。彼女との付き合いはもう何年になるのだろうか。私は友達が少ないってわけではないのだが、いつも萌と2人でいることが圧倒的に多い。こういうのを気心が知れた仲っていうのかな。



お弁当を食べてタンブラーに入れて家から持ってきたお茶を飲み終えて一息。萌におばちゃんみたいって言われたけど気にしない。





# # # # # #





昼休みも半ば。
ほとんどの人がお昼ご飯を食べ終えたころ、私のクラスに人が集まる。正しく言えば女の子たちがわらわらと集まってくる。彼女たちの目的はただ一つらしい。





「リョーマくん!」




その目的とはうちのクラスの越前リョーマである。
関東でも強豪の我が青学男子テニス部スーパールーキーなんだぜ!って幼なじみの桃ちゃんが自慢げに言ってたっけ。
俺もうかうかしてられねーな、られねーよって桃ちゃんが言うくらいだから、よっぽどすごいんだろうな。






「毎日毎日飽きないよね」


『しっ、萌!聞こえちゃうよ!』



多分私にしか聞こえなかったからいいものの、彼女の毒舌さには毎度私の方がハラハラしてしまう。
そんなズバズバとハッキリ言うところが何とも萌らしいけど。まあ、第三者から見たらみんな萌みたいに思うか。





再び越前くんの周りに集まっている女の子たちに目をやると、ギロッとまではいかないけど睨まれているような気がする。1人ではない、そこにいるファンの子のほとんどが。





「あれ?名無しさん、何か女の子たちに睨まれてない?」



『…だよね。やっぱり気のせいじゃないよね。私何かしたかな…』




自分の胸に手をあてて考えてみたけど、やっぱり心当たりはない。






立ち入り禁止
(入ろうとも思ってないのに)






-continue-




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