モノクローム
□生意気な唇
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「お前ら、揃いも揃って…」
5限に屋上で彼とサボって寝た結果、6限終了まで見事に寝過ごした。
6限は運良く自習だったんだけど、5限の英語の先生が私たちを探しに来て、階段を下ったときに見つかった。
きっと血の気が引くってああいう事を言うんだろう。もう少し早く起きて戻っていれば見つからなかったのに……。
あれから教室で先生にたっぷり怒られている。特に私を中心に。
英語の先生だったから、お前の英語の成績でサボるな!って言われてしまった。全く失礼だ。リョーマくんが吹き出して笑ったのも失礼だ。
『そんな雨宮にプレゼントだ!』
プレゼント。そんな言葉を聞いて一瞬だけ胸が踊ったのは間違えだった。
目の前の机にバサリとプリントの束が置かれる。捲ってみると読めない字がつらつらと印刷されていた。多分英語なのだろうけど。
「終わるまで帰れないからな!越前はこれを書いとけ」
先生がリョーマくんに渡したのは反省文を書く用紙1枚。え、それだけ?明らかな差別じゃん。
「それだけじゃないぞ、越前。雨宮に英語を教えてやれ。多分1人じゃ出来ないだろうからな!」
「うぃっす」
頼んだぞ!なんて言って先生は職員室に戻っていった。終わったら持って来いよーっと廊下から聞こえた。
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