モノクローム

□処方箋をください
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新崎さんが出ていったあと、屋上に沈黙が流れた。心なしか2人の雰囲気がいつもと違う感じ。





『あの、助けてくれてありがとう…』



沈黙を破ってみる。するとリョーマくんは返事の代わりに私を腕の中から解放した。やっぱり2人とも何か違う。多分怒っているんだと思う。






「どうやら越前、考えていることが一緒みたいね」


「らしいね。あんたと合うなんて意外」


「名無しさんのことだからね」


「確かに」




お互い顔を見合わせないまま、私には意味の分からない会話を続けている。萌が名無しさんのことだから、と言っているから私のことらしいけど…。






「どっちが言う?」


「……俺が言う」



リョーマくんはわずかに切ない表情を浮かべている。その表情はいつもの生意気そうではなく見たことがない顔。




「そう。じゃあよろしく」



そう言って萌が屋上を出ていく。私が萌!と彼女の名前を呼んでも振り返ることもなく。




屋上には嫌な空気が流れたまま、私とリョーマくんの2人きりになった。








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