モノクローム

□いつも通り
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『萌!私の顔大丈夫?』


「さっきから何度も大丈夫って言ってるでしょ」



お昼休み前も含めて何度も聞いてくる私に呆れたのか、萌に溜め息を吐く。だって心配なんだもん。朝からみんなに酷い顔!と連呼されたから。





「朝から何時間経ってると思ってるのよ!ほら、行ってこい」


どんっと背中を押されて前によろめく。その姿は漫画みたいな足取り。数歩はバランスがとれていたがこのままでは転んでしまう。




『うわ、危な…っ』



ギュッと目を閉じて床への激突を覚悟するしかなかった。転んだらしばらく起き上がるのはよそうかな。それともダッシュで逃げるべき?




しかし固い床にぶつかった痛みはなかった。その代わりにいい匂いに包まれている。




「危ないんだけど…」



「おー!越前、ナイスキャッチ!」


「堀尾、うるさい…」




堀尾くんの言う通り、ナイスキャッチにリョーマくんの腕が私を受け止めてくれた。




その光景を見た堀尾くんがリョーマくんの隣でテンション上がっている。遊びに来ていたカチローくんやカツオくんはもはや尊敬の眼差し。もっと言えば他の子たちも冷やかしてくる。
私はこんな風にさせた萌を睨むと彼女は知らん顔。





「名無しさん、何やってたの?」



クラスメイトたちが一通り騒ぎ終わり、また自分達の会話に戻ったあとリョーマくんが聞いてきた。




『あの…っ、ちょっとリョーマくんにお話があって…』


「わかった。じゃあ場所変えよっか」



行こ、と少し前を歩いて教室を出ていくリョーマくんを追い掛けた。







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