AliceV

□いにしえより、ずっと
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物心ついた時からずっと同じ夢を見ている。どうやらその夢は今とは全く違う、ずっとずっと前の時代らしい。あまり綺麗とは言えない着物を着ている私。隣にいるのは真っ赤な目をした人。何を話すだけではなく、ただ隣にいて寄り添っているだけ。その夢が何を意味しているのか分からないけど。




両親だったか先生だったかそれを誰かに言った。そしたらその人は過去夢だと騒いだ。どんどん事が大きくなり、いつの間にか私は両親と離れてアリス学園という大きな籠の中。そして言われたの、君はアリスを持っているって。



過去夢のアリスが見つかることなんて滅多にないらしい。大抵の人は気づかずに人生を過ごす。私もその部類に入りたかったけど、もう手遅れ。アリス学園に入って初めての夜、また同じ夢を見た。でも少しだけ変わったのは今までより色鮮やかになったこと。何でか分からないけど。





「みんなに名無しさんちゃんのこと紹介するからねー!」


無駄にテンションの高い担任の先生。初めて行く教室は憂鬱で、なるべくなら目立たないよう過ごしたい。担任の先生に入ってきて!と言われて私は一歩足を踏み出す。




「雨宮名無しさんです」


簡単な自己紹介をして教室内をぐるりと見渡す。天井近くを飛ぶ人によく分からないヘルメットを被ってる人。ふと教室の1番後ろの席の人と目が合った。うさぎを抱いている人の隣、真っ赤な目の人。彼の目も私と目が合った瞬間、大きくなったような気がする。あれ、何だか私の夢の人に……。もしかしたらもしかしたらだけど、やっと今と繋がった気がする。






いにしえより、ずっと
(惹かれ合う運命だったのかもしれない)





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連載できそうなネタ。
どうしようか悩み中です。




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