ユーレカ

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下がれと言われ初校長の部屋の前で2人きり。状況に気がついてしまったと思う前に彼の発言。




「お前、あの時の悠だろ?」


多分世界中の人が何やってんだって言う気がする。私も何やってんだって思う。特に覚えててくれたことに少しでも嬉々している自分に。突然彼が現れたからってパニックになって何の配慮もできてないからこうなったんだ。でも唯一決めたことは守る。





「あなたのこと知らないけど」


ポーカーフェースなんて任務中に慣れっこのはずなのにできているのか不安になる。冷たく言い放てばみんなどっかに行っちゃったんだから彼だってきっとそう。言ったあとの長い沈黙が耐えられなくなって私は帰る方向に足を進めようとする。だけど彼に手首を掴まれて引きとめられてしまった。




「逃げんのかよ」


図星。だけどそんなの逃げたいに決まってるじゃない。自分でも何の拍子で何と言い出すか分からないんだから。関わらないで生きていくとは逃げて逃げて逃げ続けること。





「離して」


「離さねぇ」


更に彼が力を強めた。いつまでもこんなところにいたくないのに埒があかない。じゃあ最後の手段は力づく。これもいずれ分かることだから今知られても構わない。




すうっと息を吸って私が霞むくらい周りに霧を纏わせる。これが私の霧のアリス。突然の周りの変化に驚いた彼が掴んでいる力を緩めたところで私は振り払って追いかけられないように濃い霧を出して逃げ出す。逃げたって逃げ場所はないし、また会うのは分かるけど今だけは話すのも嫌なの。







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(ぜひ君の中から私を)



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