ユーレカ
□迷走カンタレッラ
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絶対怒るから、もっと言えばきっと文句を言いに行くから一生懸命隠していたのに。それなのにどうして気づかれてしまうんだろう。問い詰められれば逃げる術を知らない。
「何かあったでしょ」
それは疑問系じゃなくて完璧に断定の言葉。何で分かるのかな、そんなに分かりやすい性格をしているかな。何もないよ、なんて言葉じゃきっと莉緒を誤魔化せない。これ以上怒られるんだったらと実はね、と話し出した。
「ちょっと行ってくる」
初校長との話から彼を救うために1人で任務に行ってきたことをおずおずと話したあと、莉緒がすくっと立ち上がってそう言った。慌ててどこに?と聞けばキッと睨まれてしまった。
「日向棗のところに決まってるでしょ。これで悠のことを悪く見たら許さない」
「悪く見られたっていいの。そっちの方が関わらなくなるから」
「よくないよ!悠が決めたことなら協力するって言ったけどそんな目に合うんだったら全部話す!」
うわあ、圧倒するほどすごい剣幕。これだと本当に言いに行っちゃいそう。私はやっとの思いで莉緒を止める。しぶしぶだけど何とか納得してくれたみたい。
「もう1人で任務やらないから」
「本当に?」
「…多分」
やっぱり言ってくる!と今度はアリスを使って行こうとするから、絶対しないから!と慌てて訂正する。今、勢いで絶対なんて言っちゃったけどまた彼に任務の話が入って、もし私1人でやれば彼がしなくて済むのなら多分任務でも何でもやってしまうだろう。他に彼を闇から救う術が分かるまで。
迷走カンタレッラ
(他にできることはないの?)
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